名探偵ストンとわたしの共同事務所

調子はずれで個人的な雑談を繰り広げます。正直いって、ぼくは頭がオカシイです。テーマは、読書や映画、アニメ、日々の出来事、つまらない小ネタが中心でくだらない(笑)。寛容の心で読み流していただけたら幸いです。    <注>コメントや質問は大歓迎ですが、念のため承認制にしてあります。

やりなおし世界史

 あっ、文庫になっている、と心の声を漏らすことがある。
 

 一、二年くらい前、中公文庫の書棚で視線を泳がせていると、浮きが沈んだときの釣人にわたしはなった。獲物が掛かったのだ。急いでリールを巻いてみる。すると、上下を有する双子の書物が釣り上がった。と、冗談はこれくらいにして、本の紹介めいたことをやってみるか。
 作者はエルンスト・H・ゴンブリッチ。この人には二つの顔があって、一つは美術史の研究者として一家をなした人。『楽園のカンヴァス』を書いた原田マハさんも、この先生の著作から勉強をはじめたらしい(「作家の読書道」というWEBサイトより。このサイトとても為になりますよ)。そしてもう一つの顔は、誠実な歴史学者として、若い読者に世界史を語るお兄さん。お兄さんというのは、この大先生、なんと25歳でこの本を書いたらしい。驚きの一言です。
 

 しかし、もっとも読者の心を打つのは、「50年後のあとがき」という小文である。我々が歴史学者に求めるものは、学界の権威でもなければ、その学者の多芸さでもなくて、誠実な人間性ではないだろうか。この書物を片手に、一人こんなことを考えた。

 

若い読者のための世界史(上) - 原始から現代まで (中公文庫)

若い読者のための世界史(上) - 原始から現代まで (中公文庫)

 

 

 

若い読者のための世界史(下) - 原始から現代まで (中公文庫)

若い読者のための世界史(下) - 原始から現代まで (中公文庫)