ほんのすこし昔の話 あったかいスープの話
<注> ちょっと前に書いたものです。
一昨日、久しぶりに「さんま御殿」を見ました。わたしは、バラエティー番組を見ることは余りなく、「マツコと有吉の怒り新党」を欠かさず見るくらい。それ以外では、仕事場の若い女の子オススメの「月曜から夜ふかし」。この二つしか見ていませんでした。
では、どうして「さんま御殿」を見たのか? 最近、その女の子とこんなやり取りがあったんです。
「○○さん(わたし)、クマムシってご存知ですか?」
「クマムシ?(あの生物のことではないよなあ~<脳内>) うーん、まさかとは思うけど、ナウシカに出てくる化物のこと?」
「いいえ、ちがいます。人間です。いま話題のお笑い芸人で、どぶろっくみたいに歌を歌うんです。ご存知ないですか?」
「ごめん、分かんないなあ~」
「そうですかぁ」
とここでその子がシュンとなったので、
「そういえば、この前9時(正確には21時)からやってた『月曜から夜ふかし』見たよ」
と立て直しました。
わたしは心に決めました。本なんか読んでる場合ではない。テレビだ、新聞だ、テレビ欄だ。そして、この火曜日の「さんま御殿」スペシャルにその「クマムシ」が出るのを見つけ、カミさんのご機嫌とりをしてチャンネル権を奪取し、何とか見ることができました。正直疲れましたね。どうして若い子はあんなに芸人が好きなのかしら?
で、そのクマムシという芸人の歌が、
「特別なスープをあなたにあげる。 あったかいんだから♫♫」
ということで、今日はスープの話(ちょっと強引過ぎますか?)。
いや~、本の話以外のところがわたしの見せ場なので、運営会社に怒られないかぎり、できるだけ雑談も入れるつもりです。
著者は吉田篤弘さん。色々な本の装丁をやりながら小説も書いている人で、『つむじ風食堂の夜』や、『小さな男*静かな声』、『水晶万年筆』、『モナ・リザの背中』、そしてこの『それからはスープのことばかり考えて暮らした』と、最近の小説に疎いわたしにしては、わりと読んでいる作家さんです。
とくに、この小説がけっこう面白くて、西島秀俊さん主演で映画にしたらヒットするのでは? と思っています。東宝、どうにか頼む!!
最後にあらすじを簡潔に。
〈同じ映画を何度も何度も見る青年は、ただいま失業中(かつてのわたしか)。就職活動そっちのけで映画館に入り浸り、あるサンドウィッチ屋のとりこになっている。その店に幾度となく通いつめ、とうとう店主の安藤さんに怒られる。しかし、生意気な店主の息子の機転により、その青年大里(オーリィ)くんは安藤さんの店で働きはじめる。
大里くんには思いを寄せる恋人がいるのだが、彼女は映画の中の端役のエキストラ。アンチョビのサンドウィッチが評判のライバル店に対抗するため、大里くんはスープ作りをはじめる。一方で、そのエキストラの彼女も追いかけ続け、ほんの数秒顔を出す映画を見るためなら何処へでも行く心意気。ある日、いつものように映画を見終わった大里くんは、何か異変に気づくのだが……〉