名探偵ストンとわたしの共同事務所

調子はずれで個人的な雑談を繰り広げます。正直いって、ぼくは頭がオカシイです。テーマは、読書や映画、アニメ、日々の出来事、つまらない小ネタが中心でくだらない(笑)。寛容の心で読み流していただけたら幸いです。    <注>コメントや質問は大歓迎ですが、念のため承認制にしてあります。

わたしを ’’暢気者’’ 呼ばわりしないで!

「○○さん(or君)は暢気な人ですね」とよく言われる。自分でも心当たりはあるけれど、正直にいって、あまりいい気持はしない。お腹のなかでは、これでもスポーツマンだったんだぞ、と抗議しているが、どうやら俊敏性に問題があるのではなく、何かゆったりとした空気があって、いつ動きはじめるか分からないと言うのだ。
 

 そういえばわたしはあまり雑用をしない。石川淳が先輩や後輩たちと酒の席を囲むとき、あまりにも何もしないので、「君、すこしは準備や用意をしろよ」と先輩が注意した。すると石川は、「そんなことしたら、人から使われる人間になる」と澄ました顔で応じたらしい。『暢気眼鏡』を読んでいたとき、わたしと尾崎一雄はこの逸話が他人事ではなかった。もちろん、どちらか一方は、気の利かない人間ではないと思うけれども。
 

 それからというもの、飲み食いの場に行く前に、「雑用、雑用」と自分に念じる。ところが、座る場所を指定され、最初の一杯を頂くと、これもアルコールのせいかしら、飲んでばかりでお開きだ。どういう訳か、尾崎一雄とわたしは暢気眼鏡が手放せないらしい。

 

暢気眼鏡・虫のいろいろ―他十三篇 (岩波文庫)

暢気眼鏡・虫のいろいろ―他十三篇 (岩波文庫)