みんなに愛された物理学者の珠玉のエッセイ
笑いすぎると涙がでるのは、涙と笑いが無二の友だからである。
いま、わたしが考えた言葉なので真に受けてはいけませんよ、とはいっても、シューベルトの歌曲に「笑いと涙」という曲があるらしい。どうやら涙と笑いが二人三脚で時をかけてきたのは本当のようだ。
こんなことを空想したのは、おそらくファインマンのエッセイを読み返したせいだろうか。理系の人のエッセイを読んでいると、日頃使わない神経が刺戟され、おもわず読み耽ってしまうから困る。なかでもこの本は度々読み返す。
殊に、一人めの妻の病を語った話がわたしのお気に入り。泣かせる話をするくせに、要所々々で笑わせてくれるので、話が深刻になりすぎない。程よく泣かせ、程よく笑わせ、最後はやはり‥・・・・
他にもいいものが入っている。たとえば、チャレンジャー号爆発事故調査のいきさつや、科学の価値とは何か等。そしてもしかしたら、涙がでるほどの笑いにも出会うかもしれない。
- 作者: R.P.ファインマン,Richard P. Feynman,大貫昌子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2001/01/16
- メディア: 文庫
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